視覚障害対策シリーズもようやく最終回です。元々は自分用の備忘録のつもりでしたが、予想以上に色々な方に見て頂けたようでびっくりしています。
大事なことですが、どんな対策をしても「二次元情報だけでは全ての視覚障害者には対応できません」。語弊があるかもしれませんが、平面上のデザインにいくらこだわったところで、全盲の方には全く通じません(エンボスやUV印刷等の凸凹、質感(手触り)、音声情報、人的サポート等が必要です)。あまり深く考えすぎず、使用する色で迷った時の豆知識程度に読んでいただければと思います。
ということで、この記事では色の確認ができるシミュレータの紹介や参考URLなどをさくっとまとめていきたいと思います。
【REVIEW】
(1)見え方の違いを知る
(2)見やすさのポイントを知る
1.シミュレータを利用する前に
- 大前提
- シミュレータいらずの確認方法
2.スマホで簡単に確認する
ここで挙げるまでもないほど有名だと思いますが…。スマートフォンやタブレット端末の普及が進む今では、一番お手軽に確認できるツールだと思います。C型(色覚正常)と、D型、P型、T型の各色覚パターンをシミュレートでき、カメラを利用して比較写真を撮影することができます。今回調べてみて気が付きましたが、Web Editionも存在するようです。
3.パソコンで確認する
- ImageJとVischeckJプラグインを組み合わせる [インストールガイド]
- IiiustratorやPhotoshopで確認する(CS4以降)
該当バージョンを導入されている方は一度確認してみてはいかがでしょうか?
4.色覚異常以外のシミュレーション方法
薄々気付いていらっしゃる方もいると思いますが、ここまでの内容は色覚異常のシミュレーションに関するものです。視覚障害についてのシミュレーションは、例えば画像に強めのぼかしをかけてみるなどがありますが、実際に体験したい場合はこんなアイテムがあります。購入だと結構な金額ですが、視覚障害体験そのものは全国で様々な団体がワークショップを開催しています。
その他、インターネットから手作りで体験具を制作しているページを見つけましたので、リンクでご紹介します。
5.参考URL
ここまで長い内容を読んでいただいた方の中には、きっともっと本格的に勉強してみたいと感じた方がいらっしゃると思います。折角ですので、参考になりそうなURLをいくつか掲載しておきます。- 東京大学分子細胞生物学研究所(CUD推奨配色セット)
http://jfly.iam.u-tokyo.ac.jp/colorset/
配布しているカラーユニバーサルデザイン推奨配色セット ガイドブックにて、塗装用、印刷用、画面用の推奨配色を掲載しています。 - 伝わるデザイン|研究発表のユニバーサルデザイン
http://tsutawarudesign.web.fc2.com/index.html
研究発表資料に特化した内容ですが、フォント選定やポスターの配置例などが参考になります。 - カラーユニバーサルデザイン(CUD)ガイド
http://www.pref.fukushima.jp/kenmin/u_d/fud/cud/cud_02.html
福島県のページです。色覚の仕組みから、CUDの手法、実施例の紹介など、非常に分かりやすく書いています。 - Ambitious
http://xeil.blog.fc2.com/
Xeilさんのボードゲームレビューブログです。左利き対応・色覚障害対応についても記載がありますので、とても参考になると思います。
上記で紹介したツールはあくまでも一部です。気になった方は是非ご自分の用途に合致したものを探してみて下さい。
ボードゲームデザイン・コンポーネント製作そのものとは全く関係のない分野だったかもしれませんが、いかがでしたでしょうか?これを機会に少しだけ色使いなどなどを工夫してみたり、カードデザインの検討要素を増やしたりする方がいらっしゃれば幸いです。